「これは――熱のせいだ」

「ハバキは伊夜彦を救いだすと云ってくれた。あの言葉は偽りだったのか?」

 ハバキは、ぎょっとしたように姫夜を見た。

「ハバキ――」

 姫夜は熱を持ったハバキの体に抱きつき、あらんかぎりのやさしさでもって抱き締めた。

「頼む。そなたがわたしの王だ」