禍津姫戦記

 ハバキは足を踏み入れようとして、姫夜がためらうように立ち尽くしているのに気づき、手をさしだした。

「さあ」

 姫夜はひとつ息を深く吸いこんで、その手を取った。
 そこに足を踏み入れたとたん、ハバキは何かに打たれたように目を見開いた。