うめくように姫夜は云った。
 クニツカミの力ですべての感覚が研ぎ澄まされているに違いない。
 ハバキは励ますように姫夜の手を握った。

「わかった。あまり遠くに心を飛ばすな。だがいつでも近くに蛇神を呼び出せるようにしておけ。俺の剣が役に立たぬなら、これはおまえにとって大事なことだ」