那智がおだやかにたしなめた。
「無体をいうものではありませぬ。姫夜どのは今日初めてこの館にいらしたのですよ。見知らぬ土地で、見知らぬものに囲まれてお疲れでしょうに」
姫夜はくちびるをかんだ。いくらハバキが神の使いだといっても、不審に思われるのは当然といえば当然だ。しかしモモソヒメの手の者ではないかと疑われるのは、姫夜にとっては最も忌まわしい、背筋のふるえるようなことだった。
姫夜はほこり高く、キッと顔をあげて云った。
「無体をいうものではありませぬ。姫夜どのは今日初めてこの館にいらしたのですよ。見知らぬ土地で、見知らぬものに囲まれてお疲れでしょうに」
姫夜はくちびるをかんだ。いくらハバキが神の使いだといっても、不審に思われるのは当然といえば当然だ。しかしモモソヒメの手の者ではないかと疑われるのは、姫夜にとっては最も忌まわしい、背筋のふるえるようなことだった。
姫夜はほこり高く、キッと顔をあげて云った。
