禍津姫戦記

「ヤギラは……どうしている?」

 那智はかすかに顔をしかめ、首を横にふった。

「――できるかぎりのことはいたしましたが、まだ目が覚めませぬ」
「そうか」

 重苦しい沈黙が流れた。布を巻き終えると、姫夜が口を開いた。