* 「姫夜、――姫夜? いないのか」 ハバキは後ろ手に薔薇(そうび)の花束を隠して、姫夜の部屋をのぞきこんだ。 だが部屋には誰もいない。 (まさか姫夜が一夜の相手をみつけて――?) ハバキは苦笑した。そんなはずがない。