禍津姫戦記

 うわあっと声があがった。童たちが肩をたたき合って甲高い声で叫んだ。

「ヒメメガミさんがおらが里を褒めてくだすった」

「よい里といったのじゃ。そうじゃろ?」

「不作法なわっぱらめ」

 八つ手が肩をいからせ立ちあがりかけたが、ハバキがそれを制した。

「云わせておけ」