ハバキは朔の日が近づいても、さほど嬉しそうにも見えなかった。

「どうせ俺は飾りだ」

 と相変わらず修練に汗を流し、体中の筋肉が悲鳴をあげるほど、おのれを駆り立てていくことが唯一の命のあかしであると云わんばかりに、声を枯らし、剣を振り上げて、若い兵士たちを鍛えるのに余念がない。