「まあ。どうして……?」

 心なしか姫夜の頬が赤くなった。

「それは……歌垣の気分を、味わってみたいんだ」

「姫夜さまはどうして行かれませんの」

「どうして、といわれても――わたしは、神司だから」

 姫夜はとまどって言葉を濁らせた。