禍津姫戦記

 うなるようにハバキが云った。姫夜はするりと、ハバキの腕からのがれた。

「気づいていたか」

 姫夜――の姿をした蛇神――はくく、とのどの奥で笑った。ハバキは顔をしかめた。

「それだけ飲ませたのだから、応えてもらおう」

「なにが聞きたい?」