湯のなかの体はびくりともしない。動かせるのは口だけだった。 「わたしが仕度をすませるまでそのままでいろ」 姫夜は憤然と湯からあがって、被るための衣でからだを拭いてしまうと、さっさとうわぎと袴をつけ、長い髪をうしろに払った。