禍津姫戦記

 だが、姫夜はそういうわけにはいかなかった。いつも人目をしのんで、すばやく行水をすませているのをハバキは知っていたのだ。

「どうした。夜が更けてしまうぞ」

 たっぷりした湯に体をひたし、手足をのばすことを想像しただけで、贅沢さにめまいがした。姫夜はごくりと唾をのんだ。

「では――先に入らせてもらう」