禍津姫戦記

「山鳥を追っていて見つけた。ここで待っているから先に入れ」

 どうして湯につかりたいと思っていたのがわかったのだろう、と姫夜は思った。

「佐古田どのの所に立派な湯殿があったろう。俺の館にはないが、いずれ作らせる」

 カツラギの男も女も、ふだんは行水をするのに隠れたりしない。