禍津姫戦記

「あれがまことなら俺はいつかモモソヒメと直にぶつかるということだ。そうだな?」

 云われて姫夜はその意味に気づいた。二人は時を渡って先の世を見たのだ。

「そうだ。あれは王と王の戦さだった。勝敗まではわからぬが」

 驚きに満ちた声で姫夜がこたえると、ハバキは目を輝かせた。その長身から、白熱する闘志が白い炎のごとくに燃え上がったのを姫夜は見た。