「そうなのか」

「だが……たしかに俺にはすこしものたりない。おまえの息吹で俺の命を清めてくれ」

 ハバキはひくい声で云って、すばやく姫夜を引き寄せ、くちびるを重ねた。つかのま、かすかにふれあったくちびるから甘い吐息が通い合った。