ハバキは正式に長として立つことをイスルギの前で誓い、神殿完成の儀式に向けた本格的な準備が始まった。その日、いよいよ、五つの里をあわせた新しい国、カツラギが誕生し、新しいカツラギ王と神司がそろって民の前に姿を現すのだ。
 このところ続いた凶事をも吹き飛ばすほど、ハバキの姿は今までにない自信に満ちあふれていた。館にはつねにハバキの大きな声が響いていた。ハバキに心酔し、一日も早く彼を王と仰ぐことを夢見ていた若者たちは、神殿完成の日をいまかいまかと待ちわびていた。