灯明皿を手にし、高楼(たかどの)の真新しい丸太に切り込みを入れて作った梯子段を慎重に踏みしめ、のぼっていく。昼間なら、カツラギの里を一望することができたろう。高楼のてっぺんにたどりつくと、姫夜が神殿の床にひれふし、祈っているのが見えた。
 ここに来たときからずっと闇の中で祈っていたのだろうか。まるで気を失っているようにも見える。