ハバキとヤギラは夢中で姫夜のからだにしがみついた。土砂の中に滑り落ちながら、姫夜は二人を抱きかかえ歯を食いしばった。 たちまち――鳥神の翼はやすやすと三人を天空へと運んでいた。 「と……飛んで……」 ヤギラの喉から掠れた声がもれた。