「わたしは神宝、蛇のひれをもつもの。この契のあかしに免じて、わが祈りを聞き届けたまえ!」 姫夜は蛇のひれを高くさしあげた。 蛇神は紅く燃える目で姫夜をにらみ、鎌首をもたげて空にむかって咆哮した。ヤギラはハバキにしがみついた。 「わあっ、殺される」