カリハがうなづくと、三人は駆けだした。山の登り口で馬を下り、杉の一本道を抜けていくと男たちの荒々しいおめき声、なにかを叩き壊すような音が聞こえてきた。しげみの影からうかがうと、十人あまりの村人たちが手にした斧や石で祠を打ち壊している。 ヤギラは真っ青になり、ハバキのほうをふりかえった。 「なんてことだ。あれは、たしかに村のものたちです」