フナジは痩せた腕を振り回して兵士をどなりつけた。

「われらとても一体なにが起きたのかと呆然とするばかりで……おれ、見たんです。襲ってきたものたちの中に、父と母がいるのを……」

 兵士といってもまだ幼い顔立ちをした少年は涙をこぶしでぬぐった。
 フナジは狼狽えてハバキの腕にすがった。