安日はちいさくため息をついた。

「その者と会って話してみたかった。どうも損な役回りを引き受けてしまった」

 安日は小石を拾って、池に投げた。石は水面に完璧な輪を描きながら三度跳ねて、沈んだ。

「そんなことはない。安日姫とも早々に轡(くつわ)を並べて戦う日がくる」

「そうか?」

「そうだ」