カリハがぶつくさと文句を云った。

「何故おれまで?」

「見張りがいると云ったのはカリハだろう。それからその派手な上着を貸してくれ」

「派手で悪かったな」

 ハバキは笑って朱雀の上着を羽織ると、イスルギの館にむかって歩き出した。