禍津姫戦記

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 部屋に姫夜がいないのに気づいたハバキは、すぐにおもてへ出た。そして姫夜が注連縄を張りめぐらした結界の中に立っているのを見たのだった。
 ハバキはあたりを見まわし誰もいないのを確かめてから、姫夜を抱きあげると、館に連れ帰った。
 しとねに死んだように横たわっている姫夜の顔を、じっとみおろす。

(あれは、幻ではなかった……)