禍津姫戦記

(その忌み名は滅多なことで口にしてはならぬ。それは滅びをもたらす神の名、あるいは厄災そのものの名なのだよ)

(その神はどこにいるの?)

(怖がることはない。その神は今、水底で眠りをむさぼっておられる)

(水底に――?)