「廉っ」



二人との距離が少しあいて
あたしは廉をよんだ。


「…皐月…」



…そんな顔しないで?




「あれ…ほっといちゃだめでしょ?」


あたしは二人を指差した。



そうしたすぐあとに…


廉は走り出した。




花園さんたちのもとへ。









廉…頑張れ。





これであたしの役目は
おわりかな?












あたしの目に
ひとすじの涙がながれた──。