「お祭り会場、全部見えるよ!」


私達は会場が一望出来る道路にいた。


「美月、あんまり行くと踏み外すよ!」


「大丈夫だよ!」


ちょっと高い丘みたいで、柵はついていない。


でも、落ちても怪我ぐらいで済むと思う。


「でも、戻ってこい。」


「なる君は、心配性だね(笑)」


「あのな、俺は美月のことがす…!!」


なる君は言いかけて、近くで遊んでる子供の方に走っていった。


「なる君? どうしたの?」


私は、なる君が走っている意味が分かっていなかった。


「璃乃ちゃん!!」


小さい子の叫び声がした。


その先には小さいワンピースの女の子がいて、足を踏み外しかけている。


「助けるから!」


なる君の声がした。