「お願いします」
 今日もいつものように、バスの運転手に挨拶をすませ、お気に入りの席に座る。

 少し冷たい風が、季節が変わろうとしているのを感じさせる。
 部活を終えたばかりの身体には、熱が残ったまま。
 まだじんわりとにじむ汗。
 バックの中からタオルを取り出し、適当に拭き取る。

「あ、藍奈!こっちこっち」
 あたしの親友の藍奈。
「今日はコーチがさ、なんかすっごい厳しくて、本当だるかったよ~」
 テニス部のあたしとは違う、バレー部の藍奈。
 藍奈は、本当にかわいくて、イメージするなら、マシュマロかな!