『和喜だよ』

 元樹の言葉が頭から離れない。

 あのあとも、少し会話が続いた。
 すぐにあの人…和喜さんも目を覚まし、元樹のノロケ話で盛り上がった。

 でもあたしは、和喜さんのことばかり考えていた。

 和喜さんとも少し会話を交わすことができて、あたしは薄々気づき始めた。

 これが、恋だと。