屋上で記憶が戻ってからはしばらく心も身体も安定した星夜


夏芽の帰り道を追いかけた


「夏芽」

「あ…」

「さっきはごめん。幽霊のくせに具合悪くなった」

「そうだったんだ。良かった」

「え?」

「もしかして消えちゃうのかなって思ったから」

「…」

「突然いなくなる覚悟、そろそろしないとダメかな…?」


夏芽の目から涙が溢れた


何年ぶりだろう
夏芽の涙を見たのは


「大丈夫だ!まだそばにいる!明日夜9時にいつもの河原に来い!」

「そんな遅い時間になんで?」

「見せたいものがある」


夏芽は分かったと頷いた