麗子に会う機会はすぐに訪れた


麗子は観客の中から誰か一人を選び
美しくさせるという企画をやっていた



選ばれたのは夏芽だった


麗子は夏芽の顔の半分を説明しながら化粧していく


どれくらい変わったのか比べるため
残りの半分は裏で化粧することに


麗子は夏芽に聞いた


「私、あなたを見たとき、あなたにどこかであった気がしたの」

「会った事ありますよ」

「やっぱり?いつ?」

「二年程前に声をかけられたんです。まだ高校生になったばっかりのあたしに色々教えてくれました」

「二年前?」

「はい」

「それは嘘よ。だってあたしは…」

「昏睡状態で眠っていたから?」


麗子は目を丸くした


「あたしが出会ったのは昏睡状態で幽霊になっていた麗子さんです。5年程眠っていたはずです」

「なんであたしの名前知ってるの…?」


麗子は芸名で活動していて本名は伏せていた


「言ったじゃないですか。昔あなたが幽霊の時に声をかけられたって」

「…」