「鈴風さん!」


夏芽は屋上まで来た

もちろん授業をサボって


「夏芽ちゃん!記憶のない幽霊についてわかったことがあるの!」



夏芽は素直に喜ばなかった


「鈴風さん、ごめんなさい。記憶探しはやめようと思ってて…」

「何いってんの!記憶が戻ることは人間になれるってことなんだよ!」

「?」

「友達に聞いたの!記憶のない幽霊は身体が昏睡状態の時なんだって!記憶が戻ると目が覚めるんだって」

「じゃあ、今あいつは昏睡状態?」

「多分ね、どこかの病院で眠ってる。それにほら、突然消えるって言ってたでしょ?多分記憶が戻ると消えるのよ」

「そっか!じゃあ、記憶を取り戻せば…」









ズキン










夏芽は胸が痛む音を感じた


「記憶を取り戻しても幽霊の記憶はなくらないのかな」

「なくなるかもね」