夏芽は屋上で寝転がった


幽霊になって空を飛びたい
何もない毎日でいい
ただ空を見上げて
幸福も不幸も忘れた
何もない時間に
溶け込んでいたい


夏芽はそう思うばかりだった


「夏芽?屋上にいるの?」


朱子が夏芽を探しにやって来た


夏芽は眠っていた


「夏芽?…寝てる」


朱子はそっと寄り添った


「頑張れ夏芽。あたしはあの子と夏芽は仲良くなれるそんな気がするよ」


朱子は夏芽の髪を優しく撫でた