さっきの男も夏芽の後に振り返った


「正夢かな?」


その人は幽霊ではなく昏睡状態から復活した星夜だった



「星夜!」

「お、大輝(だいき)」

「わりぃ、遅れた」

「今、来たとこだから気にすんな」

「誰か知ってる人でもいたか?」

「いや、夢で見た人に似てた気がしただけ」

「正夢か?」

「俺も思った」

「ははっ、じゃ行くか」

「ひかりは好きな花とかあったっけ?」

「花とか好きになるタイプじゃねーよ」

「そっか、じゃあ適当でいっか」

「うん」


ひかりのお墓参りは初めて行く星夜だった