週末ひかりに会いに行くと約束した夏芽はお母さんと一緒に家を訪ねた


「こんにちは」

「いらっしゃい」


部屋を進むと仏壇がありひかりの写真が飾られてた


「娘のひかりです」

「ひかりさん…」


写真を見てももちろん事故のことは思い出せない


「これは18歳の時の写真で彼氏とデートに行った時の写真なの。彼氏が大好きだったみたいで家族と撮る写真よりこっちの方が素敵だったからこっちを遺影にしたの」

「へぇー、ひかりさんキレイ」

「ねぇ、夏芽ちゃん」

「はい?」

「この前幽霊が見えるって言ってたよね?」

「はい」

「ひかりが近くにいたら話がしたいの。近くにいないかしら?」

「うーんと…」


夏芽は耳を澄まし辺りを見回した


「…いない」

「え?」

「ひかりさんはここにいない」

「何処かへ行ってるってこと?」

「ううん、地上にはいないです。天国にいます」

「どうゆうこと、夏芽」


お母さんが聞いた


「あたしが見える幽霊は3種類いて、地上で未練がある幽霊、意味もなく漂う幽霊、それから記憶がなく訳が分からずいる幽霊なんです」


ひかりの母は聞いた


「ひかりはどれにも当てはまらないの?」

「そう、つまり成仏してて天国で幸せに暮らしてるってこと。最後にひかりさんがあたしの心配をしてくれたって言ってましたよね?その時に他にも言いたいことちゃんと言えたんじゃないですか?だから未練がなく天国にいるんだと思います」

「そっか…」


ひかりの母は涙をこぼした


「どうしたんですか?」

「ごめんなさい。最後にひかりにお母さんの子で良かったって言われたこと思い出して…」

「…」

「それが一番に言いたかったことなんだって思ったら嬉しくて…」


二人は嬉し涙を止められないひかりの母を優しく見ていた