二人は女性を見送った
お母さんは少しため息をついていった
「18歳ってまだまだ子供だと思ってたけど、大人になりつつあるのね」
「何、急に」
「まさかあの張り詰めた空気を夏芽が溶かしてくれるとは思わなかった。大人二人が喧嘩して子供が優しく止めるなんて想像もしていなかった」
「子供だからだよ」
「どうゆうこと?」
「少し前のあたしだったら大人ぶってひねくれてねじ曲がっててあんな風に止められなかったよ」
「…」
「幼い頃のあたしに戻れたから優しく出来た」
「…そうね、大人は自分中心でわがままよね。子供は一番大切なものをちゃんと持ってる」
「そうだよね」
「さぁ、部屋に戻りましょ」
「うん、お腹減ったー」
「朝ごはんまだだったね」
子供のように純粋でまっすぐな心
取り戻せたのはあいつのおかげ
夏芽はそう心の中で感謝した
ありがとう

