空に届くように


そのあと、なかなか止まらない涙を無視して、
修とわかれて、教室にむかった。


「愛満!?」

後ろから愛実が走ってきた。

「もー!あんなメールしたくせに返信しないとか!」

「・・・だってぇ・・・」

せっかく止めたのに。

愛実に会ったら、また止まらなくなってきちゃったよ。

「泣かないでよーッ!」

そういって私を抱きしめてくれた。

ぎゅーって。

それで、背中をぽんぽんって。

私よりも背が低いのに、どうしてこんなに私より強いんだろうな、愛実は。


「うあーーぁ、・・・うぅ」

いつからだろうな。

こんなに私たちが仲良くなったのは。

そうだ、中学入ったときからだ。

中学1年生。

不安だらけの毎日が始まるんだろうなって
後ろ向きなことばっかり考えていた私に、

「愛満ちゃんっていうんだ!名前にてるね!」

たまたま隣の席にすわってた愛実が私に声をかけてくれた。


私の名前にも、愛実の名前にも「愛」っていう字がはいってて

「実」も「満」も同じ発音するしって。

なんだか変な会話で盛り上がって。

そこから仲良くなった。

2年の夏に刹那が転校してきて、孤立してた刹那に
私たちが話しかけて。
3人でいるようになって。


はあ。

いろんなことがあったなあ。

いままでも、これからも、なにもなく平穏な毎日が続くと思ってたのに。