「だよね、そうだと思った。好きな人いるの？」
「うん」
振られたんだし、それくらいの特権はあるよね？
「･･・誰か、聞いてもいい？」
言ってしまってから後悔した。
聞かない方が幸せだってこともある。
しばらくの沈黙。
多分、一番聞きたくなかった名前。
「刹那だよ」
時間が戻って欲しいと思った。
涙が止まらない。
次々と流れ出る涙は、私の足元を濃くしていく。
きっとその名前じゃなかったら
こんな気持ちにならないのに。
きっとこんなに涙はでなかっただろうに。
私はどうすればいいの？
これから、どう刹那に接したらいいの？
ごめん刹那。
刹那は何も悪くないのに
私、あなたのこと嫌いになっちゃいそうだよ。
