*修 side*
俺は今までこんなに苦しい思いをしたことはなかった。
別に引っ込み思案ってわけじゃないけど
自己主張の少ない正確なんだろうな。
高校に入ってすぐ、気になる女の子が出来た。
彼女は誰にでも優しくて、いつも頑張ってる姿が目に入った。
話ができたらな
なんて
いつも思ってた。
そんなある雨の日の放課後。
朝は降ってなかったけど、怪しいからって
折りたたみ傘を持ってきた。
でも、折りたたみ傘は嫌いだから本格的に降ってくるまで
ささなくていいや、なんて思ってたら。
まじで結構降ってきた。
何かもうめんどいから走ることにした。
ちょっと疲れたから一休み。
狭い軒下で止まると、遠くの方にここよりも大きな建物発見。
──あ、先約いる。
目を凝らすと見慣れた髪型の女の子が周りを見渡しながら
立っていた。
──あの子だ。
その女の子の名前は刹那。
今なら、あの軒下にいってさりげなく声をかけることができる?
なんか俺、ストーカーみたいだな。
そんなこと思ってたら何もできないか。
俺は、思い切って行動に移してみることにした。
一気に走って、同じ軒下へ。
「わー。びしょびしょ」
何か言わなきゃ始まらないと思い、とっさに出てきたのがこれ。
微妙だなあ
なんか言うか。
「あ、君も傘持ってないの?」
ありきたりすぎてどうかと思ったが。
「え、うん」
一応答えてくれたことに感激。