「俺こそありがとう、話聞いてくれて」
「うん、じゃあもう行くね」
この場所にいたたまれなくなって
帰ることにした。
教室に着くなり、愛実が走ってきた。
「ほんとごめんねー!お昼!」
「大丈夫、それよりね」
私は屋上で真田とのことを話した。
それから、やっぱり真田が好きなんだって
実感したこと。
これじゃあもう、恋になやむ乙女だな。
「私は刹那を応援するよ?」
「・・・え?」
「ずっと一緒にいたし、刹那はそうゆうとこちゃんとしてることも知ってるから」
「ありがとう、愛実」
そのとき私は気づかなかった。
美優が教室の中にいるのを。
* * * * *
その日の帰り道。
私と愛実と愛満の3人で帰っていた。
すると愛満が突然口を開いて。
「私、修に告白しようと思うの」
「まじで!?」
愛実は多分薄々私の気持ちには気づいているんじゃないかな。
「うん、うじうじしていても仕方ないし」
「いいと思うけど、慎重にね?」
「うん」
私はなにも言えずにいた。
本当に気持ちの悪いこの感情。
いつまでも引きずってても駄目だ。
親友の恋路。邪魔する気はない。
逆に一番近い存在の私が色々言ってあげなくて、どうするの!
私のバカ!
もう何も考えない。
「応援してるよ。ね、刹那?」
「うん、頑張って!あいつは回りくどいの嫌いだからね!」
これでいい。
これで。

