空に届くように


「愛満」

愛実が急に口を開いた。

「思ってること、言えてる?」

いつもニコニコしてる愛実が真剣な顔をしている。

「・・・ううん」


あぁ・・・愛実は何でもわかるんだな。

「話して欲しくもないし、あって欲しくもないよお・・・」

私、なんにもわかってなかったな。

今にも泣き出しそうな愛満は触ったら崩れてしまいそうな
とてももろいガラス細工みたいに。

「・・・ごめん愛満」

「ううん」

無理して笑う愛満。


修と話せなくなる

修と会えなくなる

簡単なことだ。

でも、寂しくて

少し一人になりたくなった。


* * * * *

あのあと、修からメールが来たけど

返信しなかった。

私、変なの。

好きでもないのに、おかしいな。

なんかヤダ。悔しい。

変な感情がいっぱい湧き上がってくる。


忘れてしまおう。

そう思って瞼を閉じると、あっという間に

夢に落ちていった。