今知り合った人に、傘を借りるなんて。

笑っちゃうな。


渡された、紺色の傘。

あ・・・


タグのところに名前が。

"SHU"

「しゅ?」

いや、シュウか。

明日、返さなきゃな。


傘を広げて、歩き出す。


微かな知らない匂いに包まれる。


こうやって歩いていると
いつのまにか雨はやんで。

虹が出ている


なんて


ドラマみたいな結末を考えながら

まだまだ晴れない空を見つめながら
歩いた。