涙で視界があまりわからない。 お兄ちゃんは、私の頭を優しく撫でてくれた。 お兄ちゃんの柔らかい手が小さい頃から好きだった。 何故か、この瞬間がとても落ち着くんだ。 ――だけどお兄ちゃんは悲しい顔をした。 「ごめんな?…瀬奈にとって俺はお兄ちゃんだもんな?」