……ジリリリリ
「んー…うっさい。」
目覚ましを止めて一番始めに目に入ったもの、
それはやっぱりお兄ちゃんだ。
どかそうと思ったけど、
私より大きいお兄ちゃんは予想以上に重くて
私の力では到底無理。
なんで毎回同じことを繰り返すのかな。
「……瀬奈。」
「えっ…なっ…な!」
顔がどんどん近付いてくる。
これはもしや…!
「いやぁーっ」
今までにないくらいに凄い力で押した。
「っいてーな…。擦り傷になっちまっただろ?」
「いい加減にして!…お兄ちゃんがいけないんだからっ」
最近の口癖が“いい加減にして!”に
なってる気がするのは私だけ?
また朝からイライラがとまらないながらも
キッチンへと向かった。

