放課後になった。


約束通り、あたしは浅木くんについていった。


「あの、浅木くん?」


すると、浅木くんがいきなり振り返り、あたしの隣の壁に手をついた。


「えっ…ちょ…」


浅木くんの顔がどんどん近づいてきた。

「や…ぁ…」


すると浅木くんは耳元で話し始めた。


「なぁ、お前…小悪魔って言われてんだから、そこそこの腕はあるんだろ?」


「え…?なんの?」


「だから…コレだよ…」


「ん…んん…」


なに…?なんか、唇に柔らかいものが…。


「やぁだぁ……」


やっと離れた唇を触る…。


「あの…あたし、キスなんてしたことない…」


「…は?嘘つけ…」


「う、嘘じゃないよ…」


あたしは生まれて17年間、彼氏がいたことないもん…。


キスなんて、自分が好きになった人にしかしたくなかった。