「そうよ。だからアンタが小悪魔なわけないでしょ」
「そっか…」
「それより、美月ちゃん呼んで、夕飯の準備手伝って」
「はーい」
美月ちゃんは、あたしの2コ上のお姉ちゃん。
「美月ちゃぁん、ご飯だってー!」
ドア越しに叫んだ。
「葉月ー、ちょっと来てー」
なんだろ?
「なぁに?」
美月ちゃんが、ベッドに寝ころんだまま、机の上を指差した。
「あんた前髪、切れば?」
「えっ?」
机の上には鏡とハサミが置いてあった。
「あたしさっき切ったから…切ってあげようか?」
「でもご飯…」
「はい、座ってー♪」
言われるがまま、イスに座らされた。


