「如月さん。俺…如月さんのことが、好きだ」


「え?ありがとう…」


しばしの無言が続いた。


「……それだけ!?返事は?」


「え?じゃあ…ごめんなさい」


それだけ言って、あたしはさっさと教室に戻った。


「ちょ、ちょっと!葉月!!」


あたしの机を叩いた、友達の由麻ちゃん。


「あ、由麻ちゃん!どうしたの?」


そう言って頭を傾ける、あたし。


「可愛い…じゃなくて!あんた、なんで中谷くんの告白を断ったの!?」


「え?だって、あたし…中谷くんのこと知らないもん…」


あの人、中谷くんって言うんだ…。


「あ、っそぉ…」


呆れた顔で由麻ちゃんが、あたしを見た。


「でもさぁ…なんで葉月って“小悪魔”とか言われてんの?」


「え?そうなの?」


「気づいてないんかい…」