キミとボク

「あたし、結構裕福な家に生まれたの―――――」

 周りはみんな羨ましいって言ってきたけど、あたしからしたらそんな事全然なかった・・・。

 お父さんは仕事ばかりだし、毎日毎日お母さんとケンカばっかりで・・・。
そんな二人に嫌気がさしたみたいで、お兄ちゃんは出て行ったきり。

 それくらいからかな・・・お母さんはあたしでストレスを発散するようになって、毎回お父さんが庇うんだけど・・・余計悪化して・・・。

 ある日寝てる時に、お母さんがあたしの上に乗っかって包丁を向けて・・・降り下ろしてきた・・・。

 すぐにお父さんが助けてくれたけど・・・それからすぐに離婚して、お父さんは仕事が忙しいから・・・あたしは8歳からずっとここにいる。

「・・・それなのに、あの人・・・お母さんが毎日病院に来て、あたしを返せって言ってるみたいなのっ・・・」

「柚李亜、」

「ハルくん・・・ハルくんはあたしの傍にいて・・・」

「・・・うん・・・」




 柚李亜は少し力強く僕を抱きしめてから離れて、包帯を器用に外し始めた。

 例え包帯を外した柚李亜がどんな姿でも柚李亜は柚李亜だ。
普通に、普通に・・・。




「ハルくんには・・・ホントのあたしを見て、知ってほしいから・・・」