キミとボク


 窓を見ていて隠れていたキミの顔の右側は、痛々しいほどに包帯が巻かれていたから。




「お客さん?」




 キミはどうしてこっちを見ているのに目が合わないの?




「ごめんなさい、あたし目が見えないんです。こっちに来てくれませんか?」




 そこで引き返せばいいのに、僕は何故か病室に入ってキミのもとに近づいていた。

 顔を触らせて、とキミは僕に手を差し出す。
そっとキミの手をとって自分の頬にあてる。

 今まで感じた事のないほどあたたかい手だった。




「あなたははじめましてですね、お名前は?」

「陽真・・・」

「ハルくん、ですね」

「え、」

「気にさわりますか?」

「いや、そういうわけじゃ」

「あたしは柚李亜です」




 “ゆりあ”。
キミの名前を知れた。




「柚李亜と呼んでくださいね」

「あ、うん」