瞬きさえも忘れていた。

「困りません」


そう答えるしかないじゃない。だって私は困らない。誤解されて困るのは、岩本さんの方でしょ?



だけど……。


「俺も困らない」

小さく囁いて、岩本さんはそっと、二人の隙間を埋めた。



再び合わさったそれ。

ゆっくりゆっくり食んで、離れたと思ったら、角度を変えてまた合わさる。



強張っていた身体がほぐされていくような不思議な感覚。

いつの間にか震えも止まっていた。



離れれば、もっと欲しくなる。合わされば、切なくて苦しくなる。

その甘美な行為に翻弄されて、思考も巧く働かない。



気が付けば――

私は岩本さんの腕の中にいた。



ぎゅうっと抱き締められて、その苦しいほどの圧がとても愛しかった。



「それが誤解じゃなきゃいい訳でしょ?」

耳元でボソリと呟かれた低い声に、胸がざわめいた。